


『CITIZEN』製品の特徴について、御園昭二(みそのしょうじ)氏にうかがった。
「『CITIZEN』には、『技術と美の融合』というプロダクトポリシーがあります。もともと、技術面では時計業界の中で最先端のものを持っておりまして、魅了するデザインを最先端技術で実現するというポリシーで商品を作っています」。
表参道の閑静な住宅街にデザインスタジオを置いたのも、より良い商品を生み出すためだという。
「東京の街というのはクリエイティブにおいて、世界に類をみないほど、モードも技術も最先端の街だと思うんです。先日も映像関係の人と話していたんですけど、やはり仕事環境と創作活動には関連性があって、東京でデザインできるというのは、作品に対していろんな面で良い影響があるという実感があります。特に、ここ表参道は、そういったものを肌で感じやすい街だと思っています」。
次に、実際の創作について聞いた。デザインという仕事の中でも、時計をデザインするときのポイントとは何か。
「かなり商品が多様化しているので、決まったポイントというものは無いですけど、『CITIZEN』のデザインセンターでは、頭文字がCの4つの言葉からなるデザインガイドというものを持っています。商品の狙いを明快にする『クリアフォーカス』、新しいデザインが一回出して終わるのではなく継続的に進化する『コンティニュアスエボリューション』、細部までデザインにこだわる『クールディテール』、身に着けたとき心地よい調和を感じられる『コンフォタブルハーモニー』の4つです」。
『CITIZEN』商品の開発におけるデザイナーが担う仕事の範囲について、うかがった。
「企画部門・デザイン部門・設計部門があって、基本的に企画と設計の間というポジションではあるんですけど、新企画の立ち上げ時には最初から話し合いに入ることが多いです。企画担当の人間と一緒に、現状やトレンドを分析した上でデザインを決めます。トレンドを調べて先を読むのはデザイナーの仕事で、企画担当が分析したマーケットの現状などと照らし合わせて、その企画が正しいかどうかも検証しながら、真に必要な商品を考えます」。
トレンドの先を読むときは、何をもとにどうやって読むのだろうか。
「デザイナー個人の資質に頼るところは多いです。デザイナーは会社にいるときだけでなく、常にアンテナを張っているような状態で、それぞれのデザイナーが感じる意識を持ち寄って、まずブレーンストーミングをするんです。それをまた皆で情報を集めて掘り下げていったり、パリコレ等のファッションの情報も仕入れながら、色々やっています。アプローチの仕方は企画ごとに違いますね」。
工業デザインの豊富な経験をふまえて、御園氏が考える“良いデザイン”とは。
「すごく単純なんですけど、やはり人を幸せにするためにデザインはあると思っています。人それぞれ幸せの形というのは違うと思いますが、人の幸せの数だけデザインのアプローチの仕方があります。それがうまく合致しているものが良いと思っています」。
インタビュー・執筆:蓬莱 早苗(ほうらい さなえ)








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